最高裁判所第一小法廷 昭和29年(し)49号 決定 1954年9月18日
主文
本件特別抗告を棄却する。
理由
本件特別抗告申立理由について。
原決定は、単に、刑訴四二九条による請求(いわゆる準抗告)についてした決定に対しては、高等裁判所に抗告(いわゆる一般抗告)をすることはできないのであるから、申立人の抗告は不適法であるという趣旨を判示しているにすぎない(右判示の正しいことは、刑訴四三二条、四二七条に照して疑問の余地のないところである)。そして、所論は、ただ勾留ないし勾留理由開示手続の違憲をいうばかりで、何等右のような原決定そのものについて憲法違反を主張しているのではないから、刑訴四三三条所定の特別抗告の適法な理由にあたらない。
よって刑訴四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎 裁判官 入江俊郎)